“Cause we’ve ended as lovers(哀しみの恋人達) / Jeff Beck”の元ネタはこの人。Stevie Wonderの元嫁、Syreetaの歌声が美しい
ネットで気になる記事をみつけアレコレ調べてみたら、意外にすごい事実に辿り着いたという話!
Cause we’ve ended as lovers (哀しみの恋人達) には原曲があった
インストゥルメンタルの大名演、Jeff Beckの"Cause we’ve ended as lovers"(哀しみの恋人達)。ジェフと親交の深いStevie Wonderが作曲したスーパーバラードですが、実はこの曲にはファンには有名な裏話があります。
「Superstition」(迷信)は スティーヴィー・ワンダーの名曲として知られていますが 元々は、『トーキング・ブック』のセッションに参加したジェフ・ベックへの返礼のために書かれた曲でした。
しかし、スティーヴィーのマネージャーが反対し スティーヴィー自身が先にレコーディングしてリリース。 その結果、全米Np.1の大ヒットを記録することになり ベックが怒り狂った?という逸話が残っています。
そのお詫びとして、スティーヴィーはベックの アルバム『ブロウ・バイ・ブロウ』(’75)に前回アップした 「哀しみの恋人達」を提供することになったんですね。
Beck, Bogert & Appice – Superstition – Remy’s Cafe♪
そういう経緯なら『哀しみの恋人達』は書き下ろしで、Stevie Wonderバージョンはリリースされないんだろうな、と。ギターがあまりにもメロディアスで美しいので、歌でカバーしたものがあれば聞いてみたかったな、と。そう思っていました。
ありました。
えええ…!!! 原曲あったの!!!!! 超美しい…!!!!!!!!しかもこの曲、1974年リリースのアルバムに収録されているので、ジェフベックのアルバムより1年先に世に出していますね。
スティーヴィー、お前、何やったかわかってんの?謝意、ある?
美しい声をもつ女性シンガー”Syreeta”とは?
シリータ・ライト (Syreeta Wright 、通称(Syreeta)1946年8月3日-2004年7月6日)はアメリカ合衆国のソウルシンガー。ペンシルベニア州ピッツバーグ生まれ。バックアップシンガーとして活動していたがスティーヴィー・ワンダーと結婚し、夫のプロデュースを受けデビュー。後にスティーヴィー・ワンダーと離婚。リオン・ウェアのプロデュースを受けたり、ミゼル・ブラザーズ作品に参加するなどのキャリアを重ねる。2004年7月6日に心不全により死去。
英語版Wikipediaによると、Syreetaは1972年夏にStevie Wonderと結婚。18ヶ月の夫婦生活の後 離婚したがその後も関係は良好で、以前と変わらずバックボーカルを担当したりする仲だったとか。1972年にファーストアルバム「Syreeta」をリリース。離婚後の1974年にリリースされたセカンド・アルバム「Stevie Wonder Presents Syreeta」に「Cause we’ve~」が収録されているようです。
うん…Syreeta名義ならJeff Beckより先に「Cause we’ve~」リリースしても良いかもしれないけど、アルバムタイトルにおもいっきり「Stevie Wonder Presents~」って入っちゃってるね。スティーヴィー、お前、どうした?
THE BEATLESのカバーも素晴らしい
しかしSyreetaの歌、素晴らしい。他の曲も聞いてみましたが、THE BEATLESのShe’s leaving homeのカバーがすっごくいい。
少女が家出をする歌。BEATLESバージョンではまるで小説を読んでいるような静かで穏やかなアレンジで、老齢の両親の喪失感や やり場のない怒りが感じられます。それに対して、Syreetaバージョンは少女の跳ねるような開放感と少しの不安。「してやったり」「両親はどんな顔するだろうか」といった表情。出発の朝、ドアを開けた時のひんやりとした空気。10年前から知っている曲ですが、新しい情景が浮かんできて、とても新鮮です。サイコーだ…シリータッ!サイコー!
Syreeta!
美しいテクスチャーをもつ声で、叙情的に歌い上げる彼女のボイスは自分にはドンピシャで、じんわり来ちゃいます。Stevie Wonderがプロデュースした二枚ももちろんですが、1980年前後にはBilly Prestonなんかとも共作しているんですね。これは、色々と聞いて是非レコードゲットしたいところ!良いシンガーを見つけた!
参考記事
あら、やだ、この曲も、ジェフベックの演奏でしか知らなかったわ。 http://t.co/GgQpex60zR 子供のころから、聴いてた曲がカバーだったと知ったときのおどろきってば、んーぱないわ。この辺のアレンジって、だれやってんだろう、すごいな。— 武田 元彦 (@mmtakeda55) 2015, 2月 9
(この方のツイートで初めてSyreetaバージョンを知りました。)
Syreeta/『Cause We’ve Ended As Lovers』(1974):Now & Then:So-netブログ
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