Ableton Live9で作るディープハウス・IDM「Mediumbuddha – Small steps」
Hokkaido, Cape Notoro, METI, CC BY 4.0 International
久しぶりに納得行く音が作れたので、一気に完成させてアップした。こういうのって、できたときは気持ちいいな〜。メモ代わりに、作り方や元ネタなど書いていきます。
“Small steps” – Mediumbuddha
音源(Soundcloud)
映像(Youtube)
音とこだわり
ひたすらローパス・ひたすら引き算
最初からずっと鳴り続けているピアノをはじめ、リードシンセやベースなど、あらゆるものにローパスをかけまくった。普段だったら「そこまでやっちゃうとやりすぎかも…」と尻込みするところだが、ぶっ壊れているもののほうが面白いと最近身にしみてわかったので、気にせずハイを削りまくる。そして、シンセベースは80khzあたりで鳴るようにイコライジング。家のモニタースピーカーでは十分に鳴らなかったが、クラブとかライブハウスのスピーカーなら余裕あるスーパーローが響いてくれるはず。
また、7分ある曲だが目立ったヤマを作らず、音数を少なく、平坦にしつつ熱とウネリを出せるように心がけた。これらの新しい試みは、DJをやってみたり、ミニマルテクノやディープハウスにハマったりしたことが大きいと思う。
音符をずらしてノリを作る
最近は、正確無比でジャストなビートよりも、おちゃめで情けなくて楽しくてルーズで落語みたいなグルーヴに惹かれている。特にハウスミュージックはそういったブレたビートを楽しむ文化があると思うが、自分の打ち込みでもそのノリが出せるように実験してみた。
ハイハットの刻みをずらしてみたり、Swingを65くらいに設定しつつも、32分音符くらい走らせてみたり。
こういった設定をしたからといって人間っぽいビートになるわけではない。でも、この定期的にブレてくれるグルーヴはDTMやループミュージックでしかできないものだと思う。それが気持ちいい。
サイドチェインコンプで浮遊感のあるアンビエントノイズをつくる
ドラムのリムショットにリバーブをかけて、その後サイドチェインコンプで「バスドラが鳴っている間は音量が下がる」状態に。これで、ハイハット以外のシュワシュワした上モノを作った。ドラムだけで満足感のあるビートが組めたと思う。
サンプリングをリバーブとコンプで加工しまくってぐちゃぐちゃにする
カンボジアで買ったCDから一部サンプリングして、リバーブ→コンプ→リバーブ→コンプと繰り返しかけることで、元の音では聞こえない倍音を増幅。それをうまいこと拾い上げてアンビエントノイズとして使ってみた。楽しい。
参考にしたアーティスト
Signer
名古屋のレコード屋・StiffSlackでジャケ買いしたSigner”Low Light Dreams”。もやがかった、内省的を通り越して無意識の境地に至っているサウンドにはしびれた。
Tycho
Tychoが以前インタビューで語っていた内容にインスパイアされ、いろいろな楽器にローパスフィルターをかけまくった。満足行くまでどこまでもローパスをかけようと思えたのは、Tychoの方法論が頭のどこかにあったからだと思う。
https://www.xlr8r.com/gear/in-the-studio-tycho
Owen Jay & Melchior Sultana
去年からずっとハマり続けている2人組。いつか必ずこういう音を作りたい。今回はその一歩ということで、「Small steps」というタイトルにした。
マルサの女
ボイスサンプルは「マルサの女」ラストシーンから、サイコーに渋い山崎努のセリフを。「マルサの女」は邦画の最高峰です。
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