CUBASEで作る日本語ラップ+エクスペリメンタル・ロック(湿度高め)「屍鬼」

作曲・レコーディング

2010年12月に作った「屍鬼(シキ)」という曲について!暗い!この曲暗いわ!いきなり暗い曲を出してきてしまった。

「屍鬼」

音源

歌詞

寺から出てきた兄弟 六歳のころまではやりたい放題
森のなかで暮らした六年間 星の意味を壊した三年間
泣いた数を刻んだ石は 片方が一五になるころ
一つの墓になってしまう 一つの墓になってしまう

夕焼け転がるヨーロッパ 異国の民が君をトリノと呼ぶ
意味のない言葉 祝い合う涙 痛み止めに飲むイェーガーボム
サンスクリットの手紙を開ける 「悟りに至るまでを数えるな」
羯諦羯諦波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶

嘘をつく夜は眠れなかった 朝日が登るのをずっと待っていた、と
口ずさんで日がな一日 コチコチうるさい時計の裏からこちらをまじまじ見つめる少年
間違う拍子が妙に心地よく 落ちていく滴はいやに美しく
しなやかな肢体 筆舌に尽くしがたく

「出ておいで」と 思わずつぶやいてしまった
弔う日々に耐えかねた体 葬ることでは飽きたらぬ心
咎人となった私のベッドは 夜ごとにピカソとキュビズムが出会う
好めど拒めど 私の仏の導く東は西によく似ている

この曲について

2010年12月、大学三年生の時に作った曲。精神がなかなかに錯乱していた時期だったと思う。タイトルは、その当時読んでいた「屍鬼」から。アニメで知って小説を読み始めたが、かなり面白かった。


屍鬼〈1〉 (新潮文庫)

最初の方の歌詞はまだ「寺」とか「森」とか「墓」とか屍鬼っぽいフレーズもあるけど、他はもう、ただ屍鬼のエンディングの後味の悪さと真っ黒い精神状態で書いただけのアレですな。「弔う日々に耐えかねた体 葬ることでは飽きたらぬ心」とか好きだけど、暗いなァー。自己否定感が強すぎて、むしろ直接的な「俺は汚いヤツだぜ」みたいなフレーズにならず、わけがわからなくなってるあたり、なんかもう暗い。暗いわー…

ちょうどジャパニーズヒップホップにハマり始めた頃で、KLOOZやAKLO、鎮座ドープネスがお気に入りだった(今も好き)。でも、全然ヒップホップのラップじゃないんだよなぁ。どちらかと言うと、読経?言うなれば降神とか不可思議/Wonderboyみたいな感じなんだろうか。いや違うな…この感じ、なんなんでしょうか。こういう曲が何曲かある。

このギターリフとフロアタムを混ぜたドラムパターンは現バンド「taicoto orient」でやっていることの原型だと思う。VSTiで二胡を入れているが、良い味が出てる。

記録

作曲:2010年12月 / 録音:2010年12月
環境:CUBASE4 LE / Windows Vista
エレキギター(ライン録音)・ボーカル(SHURE SM57)以外、打ち込み。

この記事を書いた人
七里ガ浜で笑う筆者

Mediumbuddha

1989年、北海道札幌市生まれのインディ音楽ナイスガイ。

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2018年11月5日作曲・レコーディング