カサブランカからマラケシュへ行くなら、鉄道よりバスが便利!おれは小便を漏らしかけた

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2012/02/11 – Casablanca ~ Marrakech, Morocco
【2012年2月12日為替レート】1 MAD = 9.20185 JPY

飛行機でカサブランカのムハンマド5世空港に着いたあと、すぐにマラケシュに移動した。今回は鉄道を使ったが、モロッコにおける長距離移動はバスが一番いい。二等席の列車でカサブランカからマラケシュに向かったおれは、小便を漏らしそうになった。


AEROPORT Med V ~ CASA VOYAGEURS ~ MARRAKECH

カサブランカからマラケシュへ、ONCF二等席で行く

カサブランカのムハンマド5世空港からマラケシュへの移動手段は、地球の歩き方2011を参考にしてONCF(モロッコ国営鉄道)にした。カサヴォヤジャー駅での乗り換え一回だけでマラケシュまで行けるらしい。

入国審査後すぐに駅へ向かい、駅の券売所へ。券売所のお姉さんは笑顔なし、無言、無愛想で、「あっ!海外っぽい!」と興奮した。ホームにも鉄道スタッフがいて、行き先を告げるとどこのホームで待てばいいか教えてくれる。列車の電光掲示板は見やすいし、駅舎もまあまあきれい。空港直結の駅とあって、外国人にもわかりやすいようになっていた。

モロッコの列車

モロッカン・ラッシュアワー

ムハンマド5世空港からカサヴォヤジャー駅までの列車は空いていて、楽に座れた。初めて乗る異国の列車にも、車窓からみる風景にも興奮。ボックス席で向かい合ったフランス人親子と談笑しつつ、サクッと到着した。だが、問題はここから先の、カサヴォヤジャーからマラケシュ行きの列車だった。

モロッコの駅ホーム

時間になっても全く来ない。まあ急ぐ理由もないのでのんびり待っていたところ、ホームに入ってきたのは混んでいる列車。狭い乗車口から乗り込んで歩きながら2等席のコンパートメントを覗いて回るも、席に空きはない。次の駅でも次の次の駅でも、たくさんのモロッコ人が乗ってきて、車内はすし詰め状態に。モロッカン・ラッシュアワーである。地球の裏側まできて、東京都民が満員電車に乗ってるという事実に笑えてしまう。

後で聞いたところによると、この日は土曜日だったこと、イスラム教のお祭りがあったことから列車が混んでいたとのこと。

カサブランカからマラケシュへの移動はONCFよりCTMがオススメ

ONCFのチケットを買う際、なんとなくバックパッカーの変なプライドで、一等席より安い二等席にした。ムハンマド5世空港からマラケシュまで、一等指定席は200DH(約2,000円)、二等自由席は130DH(約1,200円)。確かに800円は大きな差だ。

モロッコの列車の切符

しかしCTM(民間企業のバス)なら、90~95DH(約850円)。ムハンマド5世空港からカサブランカ市内までは鉄道を使って30DHほどかかるが、それを合わせてもONCFの二等自由席とほぼ変わらない金額でマラケシュまで行くことができる。チケットを買って乗り込めば、あとは座っていればいいだけなのでとても楽だし、定期的にトイレ休憩も挟んでくれる。

そう、トイレ休憩だ。おれはモロッコでの移動についてなにも知らなかったがゆえに、大変な思いをすることになる。

死ぬかと思った in モロッコ国営鉄道

ここで話を大混雑のマラケシュ行き列車に戻す。

モロッコの列車

長時間のフライトで疲れているが、座る席がないのでバックパックを床におろして、他のモロッコ人と一緒に通路に立っていることにした。しかし、列車はスピードを落としたノロノロ運転である上、途中で何度も停車してしまう。さらに、しびれを切らしたモロッコ人たちがドアを開けて勝手に乗り降りしてしまうので、また発車できなくなるという悪循環。列車が通常運転に戻る頃には、あたりはすっかり暗くなっていた。

日没後のマラケシュをONCFの車窓から

だんだんと席にも空きがでてきたので、コンパートメントに移動する。6人がけの席は、ダサいポップスをミニスピーカーでガンガン鳴らす男、大声で電話する顔の怖いレディなど、旅人レベル1のおれをビビらせるには十分な組み合わせだった。長距離移動の疲れで眠かったが、目を閉じてぐっすり寝てしまい荷物を盗まれるのが怖くてすごく緊張していた。

そのうち同行者である彼女が、若いモロッコ人女性と「旅の指さし会話帳」でどこから来たのか、どこへ行くのか、日本での仕事はなにか、などコミュニケーションを取り始めた。よかった、このコンパートメントには少なくとも敵ではない人が1人いる、と安堵すると同時に睡魔に襲われ、コックリ、ウトウトしてしまった。

ハッと目を覚ますと同時に、尿道にジョロリとした感覚。小便が漏れたか。終わった。

「アッサラーム・アライクム、モロッカンたち。私は10,000kmも東のサムライの国から来て、あなたたちの目の前で失禁しました!おめでとう!ありがとう!握手してくれよ!」

「こういう時こそ明るく振る舞わなくてはいけない」と、ピースでハッピーなあいさつ文を考えたおれは、バックパックで前を隠しながら、ゆっくり股間に手を伸ばす。汗で湿ってはいるものの、漏れた形跡はない。夢だ!あのジョロリとした感覚は夢だったんだ!たとえ夢でなくとも、チョイ漏れくらいならノーカンだ!人知れぬ喜びに満ち満ちたおれを乗せた列車は、大きなカーブを描いてマラケシュ駅へと到着した。

マラケシュ駅の看板

英語がんばるぞ! → だいたいフランス語

降り立ったマラケシュ駅はとてもきれいで、新市街はとても都会的だった。タクシー乗り場もバス停留所も、外国人向けでわかりやすい。

マラケシュ駅構内

そこで周りを見わたして初めて理解する。第二次世界大戦でフランス植民地だったモロッコの第一外国語は英語ではなくフランス語であり、外国人向けの表記はほぼフランス語なのだ。日本を出るときのおれの「英語をがんばるぞ!」などという腑抜けた決意は砕かれ、いよいよ言葉のわからない場所、全くの異国に叩き込まれることになった。こんなことで2週間やっていけるのだろうかと不安はどんどん大きくなり、タマはどんどん小さくなっていく。

この後、マラケシュの商人たちに揉まれて飛躍的に旅人レベルを上げることになるのだが、まだそれは数日先の話である。


旅の指さし会話帳47 モロッコ(モロッコ〈アラビア〉語) (旅の指さし会話帳シリーズ)