成田発ドバイ経由カサブランカ行き、旅人レベル1の私は海外に飛び出した
2012/02/11 – Narita, Japan ~ Casablanca, Morocco
池袋の居酒屋でサハラ砂漠行きを決めた私は、何もわかっていなかった。ちびちびためていた貯金を使う覚悟だけはある。確かにある。それはあるにはあるんだが、勢いだけで航空券チケットを取るには、勇気が足りていなかった。けっきょく、重要な事は同行者の彼女に任せて、やめようやめようと思っていたタバコをなんとなく吸いつつ「『旅の始まり』なんて言うには、なんだか情けないねえ。」なんて、思っていた。
そして2012年2月。成田空港のフライトから、モロッコでの旅が始まった。
さよならのチキン南蛮
「日本食とも2週間お別れだから、何か空港内で食べていこう」と提案され、チキン南蛮丼(味噌汁・お新香つき)を選ぶくらいには、私の旅人レベルは低かった。寿司でも蕎麦でもなく、フードコート的なところのチキン南蛮丼を選ぶあたり、素人なんだか玄人なんだかわからない。
成田発、ドバイ経由、カサブランカ行き
そりゃあそうだよ、英語だよ
飛行機の事なら知っている。北海道に生まれ東京に進学した私は、年に2回は帰省で飛行機に乗っていた。しかし、国際便については、なにも知らない。
ドバイ行きの機内には、日本人の旅行客や日本語の通じるキャビンアテンダントも多く、「国際便も国内便と同じよのう。」などと余裕ぶっていた。だが、ドバイからカサブランカへ行く便は雰囲気が全く違う。女性の化粧が濃い。みんなでかい声でアラブ語叫びあってる。キャビンアテンダントは基本的に英語。そりゃあそうだよ。私は今、海外にいるのだよ。
VISAカードって海外で使えるんだ
旅人レベルが低い私は、クレジットカードのポテンシャルも引き出せない。そもそも、海外で使えるということすら知らなかった。飲食店の入口に貼ってあるVISAやMastercardのシールは飾りだと思っていた。
「水でも買おっかね。」同行者は当たり前のように免税店で買い物をした。VISAカードで。なんてやつだ、と思った。旅人レベル20はあるな、と力量の違いを感じた。
必死こいてイングリッシュ
そんなこんなで、必死こいて空港のキャビンアテンダントや店員さんと英語で単語を並べて会話をした。ハウ、マッチ、イズ、ジス。オーケー。ヒア。
中学・高校と英語の成績はよかったのだが、いざ目の前に外国人がいると全然しゃべれない。だが、そんなことを言ってもいられない。この旅行で、私は英語力を鍛えよう。そんな腑抜けた決意は、カサブランカ着と同時に打ち砕かれることになる。モロッコでは、誰も英語をしゃべらないのだ。そりゃあそうだよ、モロッコだもの。
そして、満員電車と失禁の夢物語が始まる。
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