Riad House13までの道中で迷いに迷って、マラケシュ旧市街に吸い込まれる
2012/02/11 – Marrakech, Morocco
【2012年2月12日為替レート】1 MAD = 9.20185 JPY
モロッコ初日は、下半身の危機を乗り越えマラケシュの駅に到着してからRiad House13に到着して終了する。長い一日だった。
マラケシュへようこそ
駅からメディナの入り口へ、タクシーで行く
予定より大幅に遅れて、マラケシュ駅に到着したのは21時過ぎ。宿泊予定の日本人宿「Riad House13」スタッフに伝えていたチェックイン時間を過ぎているので、ササッとタクシー乗り場へ移動する。
Riad House13に一番近いメディナ(旧市街)の入り口までタクシーで向かう。モロッコの地名をうまく発音できる気がしなかったので、スケッチブックにアルファベットで目的地を書いて見せる。いかつい顔の運転手は無言で発進し、すぐにメディナの入り口へ到着。相場通りの料金を払って下車した。
しかし、ここからが厳しかった。まったく道がわからない。事前に用意した地図を見てみるが、どこを歩いているのかさっぱりわからない。迷路のようなメディナの、オレンジ色の街灯に照らされた土壁にすっかりビビってしまっていた。道端にいるモロッコ人も、誰が悪人で誰が善人か、まったくわからない。時刻は22時前。いよいよ焦ってしまう。
夜の路地で、おれのブラックホークがダウン
どうしようかと途方に暮れていると、暗い路地からドタバタと足音が近づいてくる。
地元の子どもたち10人くらいに囲まれて、アラブ語と英語のミックスでからかわれた。普段なら気にしないが、ビビって焦っている状態では、悪夢のような出来事だった。この状況はまるで、ブラックホークダウンだ。ピラニアの水槽に放り込まれた豚バラ肉だ。
救難信号 from 電話屋
彼らを振りほどいた後、予約のメールに書かれていた「場所がわからなければ電話してください」という一文を思い出した。どうにか電話屋を探してそこのスタッフに話しかけたが、不機嫌そうに"NO,NO."と繰り返すのみ。今思うと、もう営業を終えていたのかもしれないが、こちらも必死だ。「すまん!たのむ!」と押し切って、電話をかけさせてもらう。
あんなに呼出音を長く感じたことは、今までの人生で一度もなかった。かくして救難信号はRiad House13へと届き、スタッフに電話屋まで迎えに来てもらえることとなったのである。
Riad House13にチェックイン
「なにかトラブルがあったのかと思いましたよ。ようこそ!」
遅いチェックインにもかかわらず、可愛らしいRiad House13のスタッフがにこやかに対応してくれた。そうですお姉さん、私、ちょっとばかし尿を漏らしそうになりましてね。
宿についての説明をうけ、猫と遊び、ドミトリーに泊まっている人と少し情報交換をして、部屋に戻る。家を出ておよそ30時間、ようやくベッドに横になった。
「自分の場所」を集めているのだ
思えば遠くへ来たものだ。東京の自室と、このマラケシュのメディナは、どうやら連続した空間でつながっているらしい。おれが家を出て、そのままの自分でHouse13のベッドに寝ていることが何よりの証明だ。「現在地からマラケシュまでの行き方を理解している」というのは、今もおれの背中に太いものを与えてくれている。とても大きな逃げ道というか、人生の最終兵器のようなものに感じられて、なぜだかとても心強い。
MOTHER2というスーパーファミコンのゲームがある。世界各地の「自分の場所」を集めて、主人公がちょっぴり大人になっていくストーリーだ。おれもそうやって、「自分の場所」を集めるために旅をしている気がする。
ようやく、長い一日が終わった。
ドット絵素材:http://kou.ave2.jp/material/index.html
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