札幌駅北口「Curry Savoy」のチキンスープカレーが好きだ。

食べることの物語カレー, 札幌

札幌駅北口にある「Curry Savoy」が好きだ。そして、「Curry Savoy」のチキンカレーが好きだ。これからもずっと、「Curry Savoy」のチキンカレーを食べ続けると思う。

札幌・Curry SAVOYの布看板

「サヴォイ、なくなっちゃったんだ。残念だな。」

年上の恋人は20年前に札幌で暮らしていたころ、幌平橋駅にあったスープカレー屋「Curry Savoy」に通っていたらしい。いつかまた食べに行きたいと話していたが、1年ほど前に閉業していたことがわかった。

札幌・Curry SAVOYの外装

「ああ、このにおい!そう、こういう感じだった!」

後日、風のうわさで「Curry Savoy」が札幌駅北口に再オープンしたことを知る。札幌駅北口から5分ほど歩き、階段を降りてドアを開けると、店内はスパイスの香りで満たされていた。キッチンのよく見える席で、彼女は20年前によく食べていたという「チキンスープカレー・辛さ2番」を注文する。

札幌・Curry SAVOYの内装

「そのころ付き合ってた人とカレー屋めぐりしてたんだけど、一番よく行ったのがサヴォイだったんだよね。」

めずらしく彼女が昔の恋人の話をした。繊細な話題のやさしい火種が消えないように、ひとつひとつていねいに相づちをうつ。きちんと靴を脱いで他人の歴史に踏み込んでいくときは、足元から体温が伝わるようにじんわりとやわらかい。

札幌・Curry SAVOYのチキンカレー(辛さ2番)

「レモン、ごはんにかけなよ。すっごいおいしいから。」

自分も彼女とまったく同じ、「チキンスープカレー・辛さ2番」を口に入れる。言葉少なに、汗をかきながらほろほろとしたチキンを崩す2人。

ただスープを見つめながらわたしは、彼女の20年前の記憶に、2018年の自分がそっと書き足されたことを心から喜んでいた。

札幌・Curry SAVOYのお皿

この記事を書いた人
七里ガ浜で笑う筆者

Mediumbuddha

1989年、北海道札幌市生まれ。ミュージシャン・作家・Webディレクター・ライター。お酒と料理、釣りやクロスバイク、映画に落語が大好きです。

このブログは、甥や姪が18歳になったときに読ませられるような文章を、個人的な経験や記録を絡めて、誰かの力になるように心をこめて書いています。

くわしくはこちらから