エッセイ

夏の夜にすべてのものをまっぷたつ 瓜の香りで正気にもどる

投稿日:2016年9月16日 / 更新日:

夏の夜に すべてのものを まっぷたつ
瓜の香りで 正気にもどる

いろいろなことに怒り狂っていた夜のこと。まずは腹の虫から落ち着けていこうと、旭川の叔父からもらったかぼちゃを料理することにした。半分はトマトスープの具材に、もう半分はいも餅に。

包丁の切っ先でヘタを取り、開いた脳天にザクッと刃を入れる。物が二つに割れ、あざやかな黄色があらわになるその瞬間、さらっとした青い香りが漂った。

おお、かぼちゃはウリ科だったのか!無言の台所に、個人的な大発見が満ち満ちていく。そこでようやく私は、ままならないアレコレを許してやる気になった。恩赦だ、恩赦。

ようしこの日は、休日にしよう。

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