鯨のデカさ、男たちの命かけた仕事ぶりに満足度100%だった映画「白鯨との闘い」

映画

映画「白鯨との闘い」をデジタル3Dで観てきた!記事最後にちょっとネタバレあります。

ロン・ハワード監督の、命がけの仕事を描いた映画

意地っ張りメンズ(と、ときどき白鯨)がナイス

ロン・ハワード監督といえば「アポロ13」「ビューティフルマインド」が有名だが、今作は個人的には2人のF1ドライバーを描いた映画「ラッシュ/プライドと情熱」に似ていると思う。命をかけて仕事をする主人公とライバルが、育ち・境遇の違いで対立する物語。

「白鯨との闘い」では、船員の尊敬を集める叩き上げのワイルド兄貴な一等航海士と、金と家柄で船長になったボンボンが対立するぞ!当然、意見が衝突するぞ!一番困るのは船員だよね!わたし日本のビジネスマンですが、経験あります!

邦題ちょっとズレてる問題

そんな「白鯨との闘い」だが、多くの人が指摘するように、白鯨は映画の一要素でしかない。ネットのレビューを読んでいると「白鯨と戦うシーンが少なくて肩すかし」という意見もあるけど、たしかにこの邦題だと期待しちゃうよね…。原作小説の邦題「復讐する海」や最初に案として上がっていた「白鯨のいた海」は、ちょっと地味だし…。邦題は難しいっすな。

白鯨の圧倒的な存在感・絶望感、映像美

「白鯨はメインテーマではない」と言いながらも、その存在感と絶望感はとてつもない。そもそも小さいボートと手投げの銛で鯨を捕るって事自体、現代日本人にとっては想像もつかないことなんだけど、序盤で普通の鯨を捕獲するシーンがあるから、スケール感はつかめる。それゆえに、白鯨が襲撃してくる場面の恐ろしさったらない。

物言わぬ白鯨の、復讐とも遊びともつかない行動。感情の読みとれない目つき。その全容を明らかにしないカメラワークと、水音とも唸り声ともつかないひどく不気味なサウンドで、生き物としての本能「デカいものはヤバい」に訴えかけてくる映像だ。その感覚のためだけに映画館に行く価値があった。

映画「白鯨との闘い」をみたら、これも!

「ラッシュ/プライドと情熱」

2013年公開のロンハワード監督作品。「白鯨との戦い」と近い構図になっている、2人のF1レーサーのお話。主演は一等航海士オーウェン・チェイス役のクリス・ヘムズワーズ。こっちでもヤンチャで有能で短気です。ボンボンで理論派のレーサーと対立します。

これもF1が大きなテーマだが、メインは「命がけの男たち」なんだな。感動して涙でた映画。

「白鯨との闘い(復讐する海―捕鯨船エセックス号の悲劇)」

原作書籍。映画よりも淡々と、捕鯨や飢餓、人種について書かれているノンフィクション作品。

Amazonで「復讐する海―捕鯨船エセックス号の悲劇」を検索したら25,000円くらいになってて、フザケンナァーッ!と思ったけど、今回の映画公開に合わせて「白鯨との闘い」というタイトルで集英社文庫から再発売されたみたい。こっちは1,000円しない。


白鯨との闘い (集英社文庫)

「黄色い牙」

海でも鯨でもないけど、「白鯨との闘い」観てる時に思い出したので。厳しい自然から恩恵を受けるライフスタイルと、村社会のなかでぶつかる男たちを描いた小説。カラフルタイツTwitter名言おじいちゃんこと、志茂田 景樹の直木賞受賞作品。


黄色い牙

ネタバレありで感想書く

漂流中にクリスチャンの黒人が、2つ残った乾パンのうち、迷わず小さい方を選び大きい方を一等航海士オーウェン・チェイスに渡すシーンがとても印象的だった。彼は漂流中も食事の際に祈ってたし、やっぱり海外映画はもっとキリスト教的な視点で観られるようにしたいな。ロバート・ゼメキス監督の「フライト」も、自分にしてみたら「依存症と心の弱さ・強さ」が主題だったけど、調べてみるとかなり「クリスチャン」な映画らしい。アメリカ人の作る映画については、宗教的な知識が欠かせないんだと思う。

映画の終盤、エセックス号の船長ジョージ・ポラード・Jrが、本当のことを話すシーンはサイコーに晴れやかだった。船長はきっと自分の地位を守ると予想していたし、だからこそ「誰にも語られることのなかった真実」だったんだ、と思っていたから。

アメリカでも日本でもコケていたり、テーマがぼやけているなんて言われている今作だが、端々に感じられる清々しさというか、少しの爽やかさが感じられてドキドキできる良い映画だった。

この記事を書いた人
七里ガ浜で笑う筆者

Mediumbuddha

1989年、北海道札幌市生まれ。ミュージシャン・作家・Webディレクター・ライター。お酒と料理、釣りやクロスバイク、映画に落語が大好きです。

このブログは、甥や姪が18歳になったときに読ませられるような文章を、個人的な経験や記録を絡めて、誰かの力になるように心をこめて書いています。

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2018年11月6日映画